2018/06/29|夢を見たの日

夢を見た。

本州にいる友達の家に遊びに行った。お泊りで。
迎えてくれたのは女性で、髪がストレートロング。切れ長の目で割と高身長細身。肌の色は特に青白いとかもなく割と健康的。だが、たおやかな印象の美人だった。
彼女を見ると、夢の中の私はなんだか懐かしさを感じるのだが、夢から覚めた今思い返しても正直見覚えはない。
植物の名前だと思ったのだが、呼びかけているシーンが無く、確かめることはできなかった。
彼女には兄がいて、不思議な市営住宅っぽいところに2人暮らししている。
兄は短髪で少しワイルド、直接口をきく機会が少なく、外観についての印象はあまり強く残ることはなかった。
そして最後まで兄妹の名前はわからなかった。

招かれたのは、自分以外に5人くらいいて、その全員に見覚えが無いし最後まで誰の名前もわからなかった。
ただ、遊び仲間か何かのようで親しみがありグループ感もある。
気兼ねなく遊べる仲のようだ。
グループの中で目立つのは、低身長でふわふわの茶髪の快活な女の子と、ライオンみたいな感じの豪快な男の子。
確かどちらも大学生。他はよくわからない。
私自身も少し若返っていたように思えるが、夢の中で鏡が出てこなかったため、これも分からずじまい。

その夜は全員部屋で遊んで雑魚寝をする。
このときに、家の主である彼女は言った。
「ここには狼男が出るから気を付けて。決して抵抗しないで」
我々招かれた者たちは、なんだかわからず「ハーイ」と間の抜けた返事をして雑魚寝することになった。
寝静まった真夜中、突然暴風雨のような唸る音が市営住宅の廊下からしてきた。
それは玄関を乱暴に突き破り、唸りながら部屋中を暴れていく。
怖いというよりは何が起こっているんだという驚きで目を開けてあたりを小さく伺うと、真っ黒く濡れた成人男子の身長ほどもある大きな毛むくじゃらの塊が部屋中を暴れている。
大学生たちも目を開けてしまい、あろうことか悲鳴まであげてしまった。
すると巨大なタイヤを思わせる黒い塊が唸りながら覆いかぶさり、あっという間に大学生たちは絶命した。
私は固く目をつむり、そのまま眠ることにした。
狼男が物を壊す音と唸り声以外はなにも聞こえない。
多分その場にいた全員がひたすらに耐えていた。

そのうち、襲われない安堵からか、本当の眠気が襲ってきて瞼が重くなってきたところで、自分の上を狼男が何度も通り過ぎて行った。
不思議と重さは無く、濡れているはずなのに私には水気が移ることはなかった。
ただ、獣のにおいがした。
そのまま眠りに落ちる。
不思議と怖さはなくなっていた。

朝になると、死んだはずの彼らもいる。
狼男の記憶を失っていたようで、ひどいありさまとなった室内に驚いていた。
覚えている我々は、黙々と部屋を片付けて(ドアは壊れていなかった!)、全員で朝食をとることとした。
そのあと、市営住宅内での展示を見て回ることに(どうやらこれが来た目的のようだ)。
部屋主の彼女とその兄とは市営住宅内で別れ、特に余韻もなかった。

市営住宅には廊下や空き室を使って様々な展示コーナーがあった。
折り紙を組み合わせて大きなオブジェにしたものや、天然石とライトを組み合わせたもの。
廊下の一角に、たくさんの色とりどりなフローライトと小さいライトの組み合わせで作った幻想的な展示コーナーが非常に気に入り、長く見入っていたり、小さな化石の標本箱を作るワークショップに参加したり、市営住宅とは思えない充実っぷりだった。
その日は各自楽しく過ごし、駅で合流して電車に乗って上機嫌で自宅へと帰っていった。
えらい高いところを通る長い陸橋が印象的な電車の旅だったが、おそらくあの陸橋が、私の中の本州と北海道を隔てるところなのだろう。

結局、登場人物全て見知らぬ人という、久しぶりに不思議な夢だった。
こういう夢を見たときの余韻はえらく長く、しばらく現実との区別がつきにくくなるのも特徴だが、そこも楽しい。

できることなら続きが見たいと思う。